〈問い〉 大型店の進出に歯止めをかけ、地元商店の活性化をはかろうとする自治体のとりくみが各地にあると聞きます。どんな例があるのですか。(和歌山・一読者)
〈答え〉 大規模小売店舗法が廃止され(九八年)、大型店の出店を原則自由とする大規模小売店舗立地法(二〇〇〇年施行)が作られたことに伴い、大型店の進出から生活環境を守るために独自の施策を打ち出す自治体が急速に広がっています。
特徴の一つは、出店調整の対象が立地法で店舗面積一千平方メートル以上の大型店になったことから、自治体が独自に基準を設け出店調整できるようにしていることです。例えば東京・杉並区では、五百平方メートルを超える店舗を対象に、住環境への配慮から出店調整ができる条例を制定。事業主が勧告に従わないときには区長が営業停止の勧告ができるようにしています。また熊谷市などでも調整の対象を一千平方メートル未満の中規模小売店舗にまで広げる要綱を作っています。
もう一つの特徴は、地域の特性を生かして出店にあたっての国基準の具体化をより明確にしていることです。一千平方メートルを超える大型店の出店にたいし、周辺環境への影響調査を義務づける(東京・墨田区)、駐車場や駐輪場の台数を国基準より増やす(横浜市)など。
これらの施策は、立地法でも否定できなかった“周辺の生活環境保持のため”という規定を自治体の施策に位置づけたものです。
自治体が大型店対策を含め商店街の活性化に向け、積極的な支援をするケースも注目されます。例えば高知市では、特定の曜日に小売店舗が出店する伝統的な市(いち)が商店街への集客にも役立つことに注目。その支援のための専任担当者三人を配置するなど、地元住民、商店街などと討議を重ねながら活性化のとりくみをしています。
都市郊外などで大型店の出店ラッシュが続き、商店街がさびれる事態が広がっているだけに、商店街を守る自治体の積極的なとりくみを広げていく必要があります。(豊)
〔2001・4・25(水)〕
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