〈問い〉 ヨーロッパでは、日本と違って青年の失業問題で特別の対策をとっていると聞きました。どんな対策をとっているのですか。 (京都・一読者)
〈答え〉 青年の失業は、ヨーロッパ諸国でも深刻ですが、その打開のための特別の施策が効果をあげています。
まず日本と大きく異なるのは、イギリスやフランス、ドイツなどでは、新卒未就職者にたいしても失業手当が給付されるなど、さまざまな対策がとられています。日本の場合、新卒未就職者が雇用保険の対象外となっているため、生活保障や就職訓練などのサービスが受けられません。
そうした生活保障のうえで、イギリスでは、一九九八年四月に打ち出した青年雇用政策(ニュー・ディール)で、三年間で二十七万人を超える青年の雇用をふやしています。求職者給付(失業手当)を六カ月以上受けている青年を対象に、政府・産業界・NPO(非営利活動法人・市民団体)等が協力して、求職者給付と同額の手当を受けながら環境保全事業やNPOに就労させたり、大学などでの職業訓練をおこなうといった、特別の対策をとってきました。
ドイツでも、政府が同じような対策(ジャンプ)を実施し、この二年間で約二十七万人の青年が新たに就職できたと発表されています。
またフランスでは、九七年に今後五年間で三十五万人の青年の雇用をふやすという法律をつくりました。そして、地方自治体が福祉や教育などの公共部門に青年を雇い入れた場合に、その賃金を補助しています。
これらの国々とは対照的に、日本政府は、青年の失業率が急増したのは「若年者の職業意識が不十分だから」などといって青年自身にその責任を負わせ、無策のまま放置しています。
日本共産党は、二月、青年雇用政策を発表しました。そのなかで、ヨーロッパの経験をふまえて、政治の力で青年に働きがいのある仕事を保障することを求めています。
(斎)
〔2001・4・26(木)〕
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