国会に会期制があるのは?


 〈問い〉 こんどの国会で会期が大幅延長されたとき、日本共産党はこれを批判しましたが、国会に会期制があるのはどうしてですか。(埼玉・一読者)

 

 〈答え〉 国会は、原則として開会中のみ議案の審議ができる(国会法第四七条)ことになっています。そして国会の意思は各会期ごとに独立したものとして扱われ、国会法第六八条で、「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない」(会期不継続の原則)とされています。これを会期制といい、国会について憲法が、会期を区切って活動させるたてまえを決めていることにもとづくものです。

 このあらかじめ決められた会期の中で、政府・与党が会期の初めに提案した予算や法案を審議します(今開かれている通常国会は、百五十日間)。審議がつくされれば議決し、会期が終わっても審議がつくされていなければ、審議未了として廃案にします。

 「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」である国会が、国民の負託にこたえて予算や法案を十分に論議するためにはルールにのっとった議会運営が必要です。会期制は、議会制民主主義をつらぬくために、多数派の横暴を防ぎ、少数意見を保護するという役割を果たしています。現在は、会期延長の回数を、通常国会では一回、特別・臨時国会では二回に限定していますが、一九五八年にこの規定が導入されるまで、歴代政府が反動法案を通すために何回でも会期延長を繰り返したことの反省にもとづくものです。

 今回の五十七日間もの大幅会期延長は、改めて臨時国会を開くようなものです。自民党・自由党は、延長理由を「議案の審議状況により」としていますが、憲法違反の盗聴法案や、地方分権の名で地方への統制を強める地方分権一括法案、会期末に提出した日の丸・君が代法案などの成立をねらっています。まだ提出してもいない補正予算や、産業活性化法案まで審議するなどというのは前代未聞です。

 日本共産党は、大幅会期延長に反対し、諸悪法を廃案にし、改めて国民生活をまもる角度から、不況・雇用問題を中心とした臨時国会を開くことを求めました。(吉)

〔1999・7・4(日)〕



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