〈答え〉 来年六月一日から大規模小売店舗法(大店法)は廃止され、「大規模小売店舗立地法」(立地法)が施行されます。大店法は、規制緩和されたとはいえ、大型店出店時には中小小売店の保護のために必要な調整をおこなうことができます。立地法はこれをとりやめ、「生活環境の保持」への配慮を求めるだけとし、行政の権限も縮小しました。これは重大な改悪です。
日本共産党は九六年、大店法を改正し、大型店の出店を届出制から許可制にかえ、中小小売店の保護とともに住環境・街づくりとの調和を求める提案をおこないました。根本的にはこの政策の実現が必要です。
同時にいま大型店の駆け込み出店が相ついでおり、この対策が急務です。そのカギは、大型店の進出で影響がある地域住民が、街づくりや商店街の役割についての対話や合意を広げ、中小業者はもちろん住民の幅広い共同と広範な世論の結集で、議会にも働きかけ、地域ぐるみの運動に発展させることです。地元の意見の聴取や、首長の意見表明など大店法をフルに活用することが重要です。
こうした運動を基礎に、すでに全国の自治体が、大型店の出店にともなう地域環境保全のため、独自の指導要綱をつくっています。荒川区では、詳細な出店計画の提出、駐車場など交通対策、緑化計画、廃棄物対策、高齢者対策を含む環境影響説明書の提出を求めています。ほかでも、出店者と自治体との事前協議や説明書の公開、住民の意見提出など住民参加を広く保障しているのも特徴です。
立地法の下でも、こうした経験をいっそう発展させ、住民の暮らしを守る自治体の役割を発揮させる必要があると考えます。立地法自体、「生活環境を保持するために必要な施策を講ずる」ことができるとしています。「生活環境の保持」には、高齢者が歩いていける商店街で安心して買い物ができることが含まれます。地域住民の意思が十分反映されるような条例や要綱の作成も、重要です。(吉)
〔1999・8・2(月)〕
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