中小企業の倒産をどう救う?


 〈問い〉 中小零細企業の自主廃業・倒産があいついでいますが、どう救済していったらよいと考えますか。(富山・一読者)

 〈答え〉 中小零細企業の廃業・倒産が増加しているのは、売り上げの大幅減による経営の赤字が深刻化し、運転資金も銀行の「貸し渋り」でままならず、商工ローンの被害にあうなど追いつめられ、未来にも展望がもてない事態となっているからです。これは、自民党政治が「規制緩和」の名で大企業の横暴を野放しにする一方、消費税増税や社会保障の改悪、雇用悪化を促進し、消費不況を深刻化してきたことに最大の原因があります。そのうえ政府の中小企業対策費は、長銀一行への支援額、四兆五千億円のわずか二十三分の一です。

 中小零細企業の廃業・倒産をおさえるには、大企業中心で中小業者いじめの悪政に歯止めをかけ、一日も早くあらためる必要があります。

 いまとくに切実な課題は、中小企業の売り上げの回復のために、まず国民のふところをあたためる対策―消費税の減税、介護・年金・医療福祉の拡充措置をとるとともに、大企業の身勝手なリストラの規制と雇用の拡大をはかる対策の実行です。公共事業を、ゼネコン奉仕型から住民生活密着型にあらため、国や地方自治体の官公需を中小企業むけに拡大することも大切です。商工ローンの利息制限法を超える高利や根保証という悪質な手口を、きびしく規制するとともに、国民生活金融公庫や自治体の制度融資への借り換えを認めること、「特別信用保証制度」の継続と拡充、銀行の「貸し渋り」の是正など、中小企業の金融問題を打開する緊急対策をとることです。

 このためにも、日本経済の主役の中小企業を支援する予算を抜本的に増額する必要があります。そして新製品の開発や販路開拓などを求める中小企業の経営努力にたいし、情報・資金・設備・技術・人材など多面的な支援を拡充することです。

 同時に、大企業の横暴をおさえ中小企業の経営をまもる民主的ルール―大型店の無秩序な進出、大企業の海外移転による空洞化、下請けへの発注の打ち切りや単価の切り下げ、地場産業を崩壊させる野放図な輸入などの大企業の横暴をおさえる―の確立が急務です。(吉)

〔1999・11・18(木)〕



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