〈問い〉 政府は、オウム規制を理由に公安調査庁の権限を拡大・強化しようとしているということですが、この公安調査庁とは、どんな仕事をしている機関なのですか。(京都・一読者)
〈答え〉 公安調査庁は、国民にたいするスパイ活動を日常的におこなっている秘密警察の一つです。破壊活動防止法(破防法、一九五二年制定)にもとづいて、政治的目的をもって「暴力主義的破壊活動」をおこなう団体の活動の制限、解散を公安審査委員会に請求し、そのための調査をおこなうことになっています。しかし、実際には、アメリカと大企業の利益最優先の政治を守るために、そうした政治をすすめる上で障害になるとみなした国民の運動を敵視し、これを監視することが公安調査庁の最大の課題になっています。
このため、公安調査庁は、公党である日本共産党や一致する要求にもとづいて正当な活動をしている民主団体を、破防法の規定にすら反して主な標的として活動してきました。そのやり方も、盗聴、脅迫、窃盗、飲食や金品の提供によるスパイ工作など、違法・卑劣なものです。さらに近年では、阪神・淡路大震災の救援にあたったボランティア活動、「官官接待」などを追及する市民オンブズマン活動、サッカーくじの導入に反対した女性団体、PTA組織、弁護士会、消費税引き上げ反対の労働組合や老人クラブ、原発・基地・産廃処理場建設をめぐる住民投票、従軍慰安婦問題での市民運動などに監視の手をのばしてきました。
一方で、焦点になっているオウムの犯罪行為にたいしては、八九年十一月の坂本一家殺害事件以来、なんの役割もはたしていません。
こうしたことから、公安調査庁は、いわゆる「行革」論議でもリストラの対象とされてきました。公安調査庁の九九年度予算は百七十九億八千百万円、定員は千六百八十八人で、すべて国民の税金でまかなわれているのです。
日本共産党は、民主政治や国民の基本的人権と相いれない公安調査庁と破防法を、ただちに廃止するよう主張しています。(理)
〔1999・11・29(月)〕
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