とくに四つの要件を具体的に示した最初の判決として有名なのが、一九七五年十二月二十四日の大村野上事件・長崎地裁大村支部判決です。これは、下着縫製品の製造・販売会社が、不況による注文減にともない、解雇回避の努力をしないまま二十九人の労働者を指名解雇した事件でした。
判決は、「四要件」を示すにあたって、「余剰人員の整理を目的とするいわゆる整理解雇は……従業員たる地位を、労働者の責に帰すべからざる理由によって一方的に失わせるもの」と断じ、「賃金のみによって生存を維持している労働者およびその家族の生活を根底から破壊し、しかも不況下であればある程労働者の再就職は困難で、解雇が労働者に及ぼす影響は更に甚大なものとなるのであるから、使用者が整理解雇をするに当っては、労働契約上の信義則より導かれる一定の制約に服するものと解するのが相当である」としています。
「整理解雇四要件」のルールをふまえた最高裁判決としては、八三年十月二十七日のあさひ保育園事件判決などがあります。
日本共産党は、先に発表した雇用危機を解決するための緊急提案のなかで、「整理解雇四要件」を法律として明文化することを提起しています。(説)
〔1999・12・6(月)〕
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