2000年7月1日(土)「しんぶん赤旗」

 単身赴任の問題での政策は?


〈問い〉 労働者の単身赴任は、家庭崩壊の一因となるなどいろいろな問題を生みだします。日本共産党は、どんな政策をもっていますか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、単身赴任の問題を含め、企業の一方的都合による出向・配転にたいしては、法的規制が必要だと主張しています。

 労働者の家族を引き裂く非人間的な単身赴任は、八〇年代から急増し、九〇年代初頭に二十万人を突破。その後も増加の一途をたどり、九八年末の労働省調査によれば、単身赴任者は三十一万人となり、三十万人を突破しました。

 最近は、企業のリストラによる職場の統廃合で、会社が労働者に、「遠くの工場へ行くか、辞めるか」の二者択一を迫り、大量の単身赴任者と退職者を生み出すケースが増えています。「小学生の子どもが二人いて、家も買ったばかり。引っ越すわけにはいかず、夫には単身赴任してもらうしかない」――日産自動車の東京・村山工場の閉鎖計画で、遠方の工場に配置転換されるある労働者の奥さんの声です。このような例がいま各地で生まれています。

 単身赴任は、仕事での不安やストレス、家庭生活の不安、経済的な負担の増大などさまざまな問題を生み出します。ヨーロッパでは、一般に単身赴任のような社会現象はありません。

 日本共産党は、労働者に人間らしい労働と生活を保障するために、早くから単身赴任などへの規制を提案してきました。九二年には、労働基準法の抜本的改正を提起するなかで、次のような提案をしています。出向・配転・転勤については、本人の事情と希望の聴取、一カ月以上の事前予告を義務づけること。賃金、労働時間、職務内容、勤務地などの労働条件が大幅に変更される場合には、本人の同意を義務づけること。単身赴任には、本人と家族の同意を必要とし、やむをえず単身赴任する場合は、二年以内とし、経済的、精神的負担軽減のための措置を義務づけること。これらの提起は、ますます重要になっていると考えます。(豊)

 〔2000・7・1(土)〕 


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