2000年8月3日(木)「しんぶん赤旗」

 生活・福祉型の公共事業とは?


 〈問い〉 日本共産党は、公共事業は大型開発中心でなく、生活・福祉型中心にと主張しています。生活・福祉型の公共事業とは、どういうものですか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、ゼネコン向け・大型公共事業中心の予算のあり方を暮らし・社会保障中心に切り替え、公共事業の中身も生活・福祉型に改めるべきだと主張しています。

 生活・福祉型の公共事業は、政府・自民党がすすめてきた港湾、ダム、空港、高速道路といった巨大開発と違って、特別養護老人ホーム、病院などの福祉・医療施設、小中学校校舎などの教育関係施設、公共住宅の建設といった国民の暮らしに直接役立つ公共事業のことをさしています。

 いま、特養ホームの不足は深刻で、入所を希望しながら自宅で待機せざるをえない人が、四万七千人もいます。これを解消するには、五十人規模のホームを九百四十カ所つくる必要があり、要する費用は四千億円になります。

 小中学校のプールの現状も改善が急がれます。全国の小中学校の中でプールのない学校は、六千六百九十九校あります(九八年度)。これらの学校にプールをつくるためには、約八千億円が必要です。

 そのほかにも、老朽化した病院の建て替え、大学の研究施設の改善など遅れの目立つものはたくさんあります。この遅れている国民生活向けの公共事業、プロジェクトを積極的にすすめようというのが、日本共産党の提案です。

 ゼネコン型公共事業への国民の批判が強まり、政府・与党も最近は、「生活基盤重視」を口にせざるをえなくなっています。しかし、実際には、最近の政府の公共事業予備費の使途決定(関西国際空港二期工事など)の内容が示すように、従来型公共事業推進の方針を改める姿勢は見られません。

 日本共産党の主張する生活・福祉型への公共事業の転換は、国民生活の向上のためにも、雇用をふやし景気をよくするためにも、切実な課題になっています。(豊)

 〔2000・8・3(木)〕


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