日本共産党

2001年6月23日(土)「しんぶん赤旗」

 地方交付税の見直し論をどう見る?


 〈問い〉 小泉内閣の「構造改革」の一環として地方交付税の見直しということがいわれます。制度そのものを含め、どういう問題なのか教えてください。(東京 H・Y)

 〈答え〉 地方交付税の制度は、自治体ごとの税収のアンバランスを調整し、どの自治体でも一定水準の行政サービスを提供できる財源を保障するためのものです。所得税や法人税、消費税などの国税の一定割合を国が地方に交付するしくみなので地方交付税と呼ばれます。この二、三年は毎年総額で約二十兆円、地方自治体の収入全体の約二割を占めます。

 小泉内閣は、「国の財政が厳しいから」という理由で、来年度の「一兆円減額」など地方交付税の削減、見直しを盛んにうちあげています。

 日本共産党は、国の勝手な都合だけで「まず地方交付税の削減ありき」という小泉内閣の方針には反対です。

 各自治体では、地方交付税の多くが国の法律や制度で自治体に義務づけられている仕事の費用にあてられています。しかも、ほとんどの地方自治体がきびしい財政難に直面し、それを理由に福祉や教育など住民サービスを切り下げる動きも広がっています。この時に一兆円減額などといって地方交付税が減額されれば、住民サービスの後退に拍車をかけることになりかねません。

 もちろんいまの地方交付税にも見直すべき点はあります。たとえば、国が地方単独の公共事業を促進するために、その借金の返済の一定割合を地方交付税で手当てする措置をとっています。ムダな公共事業を増やし、財政危機の主な要因となったこの措置を見直すのは当然です。

 地方交付税制度全体の見直しは、国から地方へ税源を移し地方税を充実させるとともに、税収のアンバランスを調整する十分な財源を確保する見地で慎重に議論、検討すべきです。まして、地方税の充実を理由に消費税の大増税を企てたり、市町村合併の押しつけを強めたりすることは、住民の利益と地方自治に反するものとして許されません。(彦)

 〔2001・6・23(土)〕


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp