2001年6月28日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 国会で自動車排ガスを規制する法律の改正がおこなわれましたが、日本共産党はどういう態度をとったのですか。 (群馬・一読者)
〈答え〉 自動車NOx(窒素酸化物)削減法改正案は、今国会で全会一致で可決成立したもので、日本共産党は、修正案を提案し、国会質問で政府案の不十分な点をただすなど改善に努力しました。
九二年に制定された現行法は「NO2(二酸化窒素)の環境基準を二○○○年度までに概ね達成」する目標を立て、そのもとで、削減対策が実施されてきました。しかし、九八年度の特定地域(自動車の交通が特別に集中する地域等)内でのNO2環境基準の達成率が三五・七%にとどまるなど、「概ね達成」どころか法制度の実効性も不十分なことが明らかになりました。自動車排ガスによる深刻な大気汚染により、東京都内では国の公害認定患者のほかに、都条例にもとづく十八歳未満の公害認定患者が五万人以上にも達しています。昨年一月の尼崎公害判決、十一月の名古屋南部公害判決とも自動車排ガスと健康被害との因果関係を認め、国の公害加害責任を断罪し、国に対し浮遊粒子状物質(SPM)での公害差し止めを命ずるに至っています。自動車NOx削減法の改正では、この深刻な自動車排ガスによる大気汚染を改善し、両判決が求めるような健康被害を出さない水準の法規制が強く求められていました。
日本共産党は、改正案について、ディーゼル車から排出される粒子状物質(PM)につき新たに車種規制を導入したこと、三十台以上の事業者への自動車使用管理計画の提出を義務づけたことなど、現状の一定の改善が期待できるとして賛成しました。同時に党は、法案が健康被害を防ぐ環境基準の達成には程遠いことから、事業者への総量規制制度の創設、ディーゼル微粒子除去装置の装着義務付けなど運行規制制度の創設、自動車製造事業者への総量削減措置などの抜本的な修正案を提案しましたが、他党の賛成がえられず実現しませんでした。(佐)
〔2001・6・28(木)〕
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