2001年7月7日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 国会で農協法の改定が行われましたが、いろいろ問題があるようです。共産党はどういう態度をとったのですか。(鹿児島・一読
〈答え〉 六月に成立した農協「改革」法案は、来年四月のペイオフ(預貯金の払い戻し保証額を元金一千万円とその利息までとする措置)解禁などに対応した組織整備を主なねらいとしています。日本共産党は、法案は、協同組合としての農協の性格、民主的運営に大きな問題を生ずるとして反対しました。
第一に、農協の業務執行体制を強化するとして、信用事業を行う農協に三人以上の常勤理事(うち一人は信用事業の専任)を置くことを義務付けたことです。現在の農協の常勤理事数は、平均一・九人。三人以上の常勤理事が義務化されれば三人の常勤理事を置けない小規模な農協は、組合員の意思に関係なく合併しなければならなくなるなど、非合併・小規模農協つぶしにつながります。
第二は、重要事項を決定する経営管理委員会について、日常業務の執行責任を持つ理事会と分離して設置できることになっていることです。「改正」案は、定数五名以上のメンバーすべてが正組合員としていた委員会に四分の一以内で員外メンバーを認め、代表理事の選任権まで与えることにしています。正組合員でもなく、組合員によって選ばれたものでもない理事が、日常業務の最高責任者になることは、協同組合としての性格を形がい化しかねません。
第三は、農協金融の再編強化の基本方針(いわゆる自主ルール)の下に、農林中央金庫がこのルールをクリアできない農協に対し、強権的に県信用農協連や隣接農協に合併や事業譲渡を勧告し、それに従わないときには「除名」までできるとしていることです。これは、組合員主体の農協運営と、単位農協が主役の系統組織という協同組合の基本的な原則をないがしろにしかねません。(赤)
〔2001・7・7(土)〕
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