2001年7月1日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 暴力や性の映像文化などから子どもを守るための取り組みが前進しているとのことです。取り組みの現状を教えてください。(東京・一読者)
〈答え〉 日本のテレビでの過剰な暴力や性の表現の青少年への影響を憂慮し、社会の自己規律の力で子どもを守ろうという取り組みは、具体的な動きとなって進んでいます。
昨年四月、NHKと日本民間放送連盟(民放連)は、共同で「放送と青少年に関する委員会」(青少年委員会)を設置しました。放送と視聴者を結ぶ第三者機関(委員七人と数人の事務局スタッフで運営)で、青少年と放送について視聴者の意見を受け付け、審議結果と放送局の対応を公表するほか、大学などと協力して青少年と放送の調査研究を進めます。同委員会は、昨年一年間で二千六百件を超える意見・苦情を受け付けました。昨年十一月には、民放テレビの二本のバラエティー番組のコーナーが、民放連の定める放送基準にふれるとし、局内での議論を求める「見解」を発表。放送局は論議をほとんどしませんでしたが、自主的にコーナーを中止しました。このことは、番組内容について局自身の自律を促すきっかけをつくりました。
欧米では、イギリスの放送基準評議会をはじめ、権限をもった苦情受付機関が存在し、国民の論議をつうじ、暴力・性表現に対する基準を設けています。欧米の機関のように体制の充実がのぞまれますが、日本で恒常的に視聴者の意見を受け付け、放送の青少年へ与える影響を審議する第三者機関がつくられたことは、一歩前進です。
自民党などには、法律によるメディア規制の動きが根強くあります。日本共産党は、この問題で、子どもの健全な成長を主題にすえた社会の自己規律を確立する努力を訴えてきました。こんどの参議院選挙の「各分野の政策」では、国民からの意見や苦情を聞く第三者機関の発足などの取り組みの前進を評価し、青少年委員会の活動をはじめとする「この動きを国民的な運動でさらにすすめ」るとの見解を明らかにしています。(山)
〔2001・7・1(日)〕
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