2000年2月28日「しんぶん赤旗」
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〈問い〉 最近、遺伝子組み換え食品が出まわっていますが、その影響について日本共産党はどう考えますか?(福島・一読者)
〈答え〉 遺伝子組み換え食品は、その安全性について、国際的にもさまざまな議論がおこなわれています。
イギリスでは、タチナタマメの遺伝子を組み込んだ遺伝子組み換えジャガイモを食べたラットに、発育不全と免疫力の低下が見られたという報告(九八年八月、ロウエット研究所のパズタイ教授)や、害虫に強いという植物性の抗害虫物質(GNA)の遺伝子を組み込んだポテトをラットに食べさせたところ、胃壁や盲腸壁などに異常が見られたという報告(同教授の実験、九九年十月、科学誌『ランサット』)が出され、論議をよんでいます。また、アメリカでは、害虫に強い遺伝子組み換えトウモロコシとして実用化された「Btコーン」の花粉が、トウモロコシ畑の周辺のチョウを絶滅させる可能性があるという報告が出され(九九年五月、科学誌『ネイチャー』、コーネル大学の実験)、米環境保護局が遺伝子組み換え農作物の栽培認可基準の見直しに着手しています。
これら実験報告については、賛否両論の議論が起きていますが、少なくとも安全面に疑問が提示されている以上、遺伝子組み換え作物自体の安全性について食品添加物なみに厳しくチェックしなければならない必要性を明らかにしています。
日本共産党は、九七年十月、政党としては初めて「遺伝子組み換え食品表示要綱案」を発表しました。そこでは、JAS(農林規格)法にもとづき、原材料表示として、例外なしに遺伝子組み換え作物を表示すること、及び遺伝子組み換え食品の食品衛生法による食品添加物なみの安全性審査義務付けを提案しました。
政府は、これまで法律にもとづかず任意におこなわれていた遺伝子組み換え食品の安全審査を今年四月から食品衛生法にもとづく安全審査として義務付けることを明らかにしました。しかし、安全審査のやり方は、まだ部分的で、食品添加物なみの審査にはなっていません。(小)
〔2000・2・28〕
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