日本共産党

2000年8月17日「しんぶん赤旗」

米軍の環境破壊は取り締まれないのか?


 <問い> 在日米軍による環境汚染・破壊の問題は、日本の法律では取り締まれないと聞きました。どうなのですか。(神奈川・一学生)

 <答え> 在日米軍には、安保条約にもとづく日米地位協定で、日本の主権を制限するいろいろな特権が与えられています。しかし、環境問題まで日本の法律が米軍に及ばないと地位協定で決められているわけではなく、むしろ地位協定には、米軍は「日本国の法令を尊重」することが明記されています(一六条)。

 ところが日本政府は、米軍に日本の国内法を守らせるのでなく、「(米軍の法令順守義務は)適用があるとか従わなきゃならぬということじゃございません」(味村法制局第一部長=当時、八一年四月七日)といって、米軍の特権の方を守る態度をとり続けてきました。その結果、米軍の無法な環境破壊の問題が起きているのです。

 基地内の環境汚染。日本ではPCBは有害物質として生産が禁止されていますが、米軍は日本の法令を無視してPCBを使用・存置し続けているため、全国の基地周辺で漏出の危険による住民の不安をよんでいます。

 基地周辺への有害物質流出。燃料流出事故が後を絶たないことをはじめ、沖縄では、嘉手納基地で航空機洗浄液が風で飛散し、周辺住民が皮膚のかゆみを訴えるなどの被害が日常的に出ています。

 全国規模の航空機騒音。厚木(神奈川)・横田(東京)・三沢(青森)をはじめとする基地の周辺では、戦闘機の夜間離着陸訓練や低空飛行訓練の激しい騒音で推定百万人を超える住民が苦しんでいます。米軍は、米兵の居住環境を守る目的で、独自の環境管理基準を設けていますが、航空機騒音は管理基準の対象にさえしていません。

 こうした事態の中で、沖縄県などが環境問題で日本の法律が適用されるよう地位の改定を要求しているのは当然です。

 米軍の無法を止めさせるためには、日本政府が横暴容認の態度を改め、米軍に日本の環境法令をきちんと守らせるなどき然とした態度をとることが必要です。(阿)

〔2000・8・17〕


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