2000年12月31日「しんぶん赤旗」 |
<問い> 患者が安心して医療・看護を受けられるように看護婦を増やしてほしいという声があります。日本共産党はどう考えますか。(東京・一読者)
<答え> 「看護婦さんが走り回っていて忙しそうで声もかけられない」という声をよく聞きます。実際、いまの百二十万人の看護婦・士の仕事量は増え続けています。
政府は、看護婦確保法(一九九二年)にもとづく基本指針で、「複数を主とし、月八回以内の夜勤体制」に「積極的に努力する」としています。しかし、日本医療労働組合連合会(医労連)の二〇〇〇年夜勤実態調査では、月九日以上の夜勤者が二〇・一八%、国際医療センター、がんセンターなどナショナルセンターといわれる国立病院では、四割が九日以上です。十一月には、改悪医療法が成立し、半世紀ぶりに看護職員の配置基準が改定されました。入院患者四人に一人の看護職員というこれまでの最低基準を改め、病床を「一般病床」「療養病床」にわけ、前者は患者三人に一人、後者は患者六人に一人とし、「六対一」の体制を法定化してしまいました。厚生省試算でも、夜勤月八日以内は、「患者二・八三人に一人」以上の配置でなければ実現できません。
日本共産党は、九一年、緊急提言「看護婦不足を解決し、国民の医療をまもるために」を発表、「夜勤複数・月八日以内」を実行し、「三人体制・月六日以内」に向けて計画的にとりくむべきこと、看護婦が働き続けられる条件の整備、看護婦と准看護婦の養成制度の一本化などを提言し、実現に努力してきました。
先の国会でも、看護婦・士の夜勤実態を具体的に指摘し、配置基準の改善と大幅な増員、診療報酬体系の見直しなどを要求してきました。精神科などで著しく抑えられている配置基準の問題では、厚生大臣に「改善」を約束させました。二〇〇一年度予算案には、国立大学病院の看護婦(非常勤)七百七十三人増員分の五十八億円がもりこまれました。高度な医療を提供する国立大学病院の看護婦不足の解消は、日本共産党が国会質問でも繰り返し求めてきたものです。
医労連は、「二〇〇万人以上看護体制」「夜勤三人以上で月六日以内」の要求を掲げています。国民医療を守るため、看護職員の大幅な増員は待ったなしの課題です。(野)
〔2000・12・31〕
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