2001年 6月30日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 生活の大変な母子家庭にもっと援助の手をさしのべてほしいものです。共産党は、支援策についてどう考えますか。(広島・一読者)
〈答え〉 厚生労働省の調査では、母子家庭の世帯数は九十五万五千世帯(一九九八年)で、五年前の調査より十六万五千世帯も増加しています。その平均年収は二百二十九万円という低さです。しかも四割近くが臨時やパートの不安定就労で、不況のもと、いつ解雇されるかわからないという不安におびやかされています。さらに社会保障の改悪や消費税の増税などが、母子家庭の生活苦をいっそう深刻なものにしています。
ところが政府は、母子家庭の実態を無視して、九八年から母子家庭の“命綱”ともいうべき児童扶養手当の所得制限を引き下げました。そのため六万人を超える人が手当をうけられなくなりました。児童扶養手当の支給対象からはずされると、国や自治体の一人親家庭にたいする各種制度の利用もできなくなり二重の打撃になっています。
日本共産党は、児童扶養手当の所得制限をただちに元に戻した上で、支給額の増額など制度のいっそうの充実を求めています。また、母親が安定した仕事に就けるよう、職業訓練所の利用を促進し、企業にたいしては、母子家庭を理由にした不採用をやめさせるなど、国や自治体、企業の責任で、母子家庭の母親の雇用を促進します。
また、母親や子どもの病気の時の介護人派遣制度の充実、母子福祉資金の貸付金額の増額や借入手続きの簡素化、公的住宅優先入居の促進なども緊急に求められます。東京都など各地ですすんでいる、一人親家庭への医療費助成制度の改悪をやめさせることも切実な課題です。
母子家庭の生活苦の背景には日本の女性の地位の低さや男女賃金格差など差別の矛盾が深刻に反映しています。日本共産党は、母子家庭のくらしが安定し母親が健康で働き続けることができるようにするためにも、男女平等、女性の地位向上の前進が重要だと考えます。(高)
〔2001・6・30(土)〕
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