日本共産党

2001年7月14日(土)「しんぶん赤旗」

機密費の「上納」問題はどうなっている?


 〈問い〉 腐敗政治にかかわって大きな問題となった機密費の「上納」問題はどうなっているのでしょうか。外務省が改革の方針を出したりしているようですが…。(滋賀・一読者)

 〈答え〉 「国の事務や事業を円滑、効果的に遂行する」ことを建前に毎年「報償費」の名目で予算に計上される政府の機密費の問題は、外務省の一官僚の流用事件を契機に腐敗政治の財源にされてきた「上納」問題を明るみに出しました。七十億円規模の機密費のうち、二十億円ともいわれる規模の金額が内閣官房に「上納」され、日本共産党以外の政党・政治家の外遊の「せんべつ」や法案通過のための国会・野党対策などに使われてきたという疑惑です。財政法は、国会議決を無視して予算を流用することを禁じており、「上納」は財政法に明白に違反します。

 日本共産党は、この問題を徹底して追及。二月の衆院予算委員会では、志位委員長が「上納」を裏付ける内閣官房作成文書を暴露し、機密費が消費税導入のための野党対策に使われるなど腐敗政治の財源となってきた疑惑を追及しました。同文書は、筆跡鑑定の結果、古川貞二郎現官房副長官が書いたことが確定的になっています。

 にもかかわらず政府は、「上納はない」といって疑惑を否定する態度をとり続けています。外務省は、六月六日、「省改革要綱」を策定しましたが、「上納」問題への言及はなし。マスコミからも「首相官邸が外交機密費を上納させ、国会対策に使ったという疑惑も、やぶの中だ」(「毎日」六月七日付)と批判されています。大臣就任前、官房機密費を野党対策に使ったとテレビで語った塩川正十郎財務相も、就任後国会で追及されると「忘れた」「錯覚だった」と逃げ回っています。

 機密費「上納」問題は、国民の知らない間に官邸の機密費が事実上増額され、党略的に流用されていたという機密費問題の核心です。疑惑隠しを許さず、全容の徹底究明を求めていくことが重要です。(小)

 〔2001・7・14(土)〕


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