日本共産党

2001年7月11日(水)「しんぶん赤旗」

 特殊法人等「改革」法への態度は?


 〈問い〉 特殊法人等「改革」法案が成立しましたが、特殊法人とはどういうものですか。共産党の態度を含め教えてください。 (京都 K・M)

 〈答え〉 特殊法人は、特定の行政のために特別の法律にもとづいて設立された法人のことをいい、公団、事業団、公庫など七十七法人があります。国が国民への責任を果たす「公共性」と、事業の能率的経営を果たす「企業性」を調和させる組織といわれています。

 日本共産党は、特殊法人の改革は国民の立場から積極的に行うべきだという立場に立っていますが、六月に成立した「特殊法人等改革基本法案」(自公保の与党が提出し、民主党も賛成)にたいしては、反対の態度をとりました。

 理由の第一は、特殊法人「改革」の名のもとに、国民生活関連の法人・事業を、廃止・縮小しようとしていることです。国民の住宅権を保障する公団住宅、不況で苦しむ中小商工業者への融資(中小企業金融公庫など)、就学の機会均等を促進する奨学金制度(日本育英会)など、国民生活にかかわって大事な役割を果たすべき事業を「効率化」「民間との競合」といった基準で取り扱い、廃止・縮小しようとしています。

 第二は、財政危機の最大の原因であるムダな大型公共事業の抜本的見直しを先送りし、組織形態と看板のかけかえで、特殊法人のかかえる借金のツケを国民に負担させる危険があることです。現に小泉内閣は、「聖域なき改革」といいながら空港、ダム、湾口道路など、過大な需要見込みと環境破壊を伴う大型公共事業の中止を求める声には、こたえようとしません。

 日本共産党は、特殊法人の改革はムダな事業や放漫経営を総点検し、腐敗政治の大もとにある官僚の天下りや政治と業界との癒着構造に徹底的にメスを入れることこそ必要だと主張し、この立場から不要な特殊法人や事業の廃止、民営化、統合、縮小などを検討すべきだと提案しました。同時に、国民生活に必要な特殊法人は、その公共的責任を果たすにふさわしい内容に改善することが必要だと考えます。(稲)

 〔2001・7・11(水)〕


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