日本共産党

2001年7月28日(土)「しんぶん赤旗」

京都議定書の発効条件は?


 〈問い〉 地球温暖化防止のための京都議定書の発効にはいくつか条件があるそうですが、どんな条件なのですか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 京都議定書は、議定書の発効条件について次のように規定しています。

 「この議定書は、条約の五十五以上の締約国であって、すべての附属書Iの締約国の千九百九十年における二酸化炭素の総排出量のうち少なくとも五十五パーセントを占める二酸化炭素を排出する附属書Iの締約国を含むものが、批准書、受諾書、承認書又は加入書を寄託した日の後九十日目の日に効力を生ずる」(二五条一項)

 附属書Iの締約国とは、気候変動に関する国連枠組条約の附属書に明記された、アメリカ、ロシア、日本、ドイツ、イギリス、カナダ、イタリア、ポーランド、フランス、オーストラリア等の先進国・工業国のことです。つまり、議定書発効には、(1)議定書を結んだ国のうち、五十五カ国以上が批准すること、(2)議定書を批准した先進国・工業国(附属書I国)の合計の二酸化炭素の一九九〇年の排出量が、全附属書I国の55%以上に達することという両条件が必要ということになっています。

 現在まで、批准した国は三十六カ国。EU(欧州連合)、ロシア、東欧は批准の方針で合意しており、カナダも批准の意向を表明しています。二酸化炭素の排出量はEU、ロシア、東欧、カナダの合計で約53%。これに日本(8・5%)かオーストラリア(2・1%)が加われば、発効に必要な55%を超えることになります。

 ボンで開かれた地球温暖化防止国際会議再開会合は、アメリカの議定書離脱表明にもかかわらず、議定書の運用ルールの主要部分での合意が得られ、発効に向けて前進しました。日本は議定書を結んだ会議の議長国でありながら批准を表明せず、交渉でも議定書を骨抜きにする態度に終始し、環境対策に最も不熱心な国という評価を世界に広げました。日本はアメリカ追随をやめ、早期に議定書を批准すべきです。 (龍)

 〔2001・7・28(土)〕


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