2001年7月29日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 沖縄の米兵による女性暴行事件を契機に日米地位協定のことが話題になっています。地位協定とは、どんな協定なのですか。 (北海道 S・K)
〈答え〉 日米地位協定は、一九六〇年、日米安保条約とあわせ日米間で結ばれた不平等な条約で、米軍への基地提供とともに、米軍の特権と行動の自由をさまざまな形で保障しています(全文二十八条)。
協定のおもな内容は、三つあります。第一に、基地の提供・設定。「合衆国は…(安保条約)第六条の規定に基づき、日本国内の施設及び区域の使用を許される」(二条)。この規定を実施するため米軍用地確保特別措置法などの国内法が作られています。第二に、基地の維持と円滑な運営。「合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる」(三条)とされ、基地内は完全に米軍の支配下におかれています。また基地外でも、鉄道・電話・電力・港湾・空港・道路等の自由使用、物品調達の際の特権が広範に保障されています。第三に、軍人・軍属などの特権・特典。米側に有利な刑事裁判権(一七条)などの特権・特典が保障されています。
地位協定の屈辱性は、いま問題の刑事裁判権規定に端的に現れています。米兵の犯罪にたいし、米側は日本側が起訴するまでは被疑者の身柄を日本に引き渡さない権利をもち、日本の警察は米側の好意的配慮がなければ、拘禁し、取り調べることができません。
日本政府は、今回の事件後も運用の改善をいうのみです。この間、沖縄県をはじめ米軍基地をかかえる十四の自治体で構成する渉外関係主要都道県知事連絡協議会が、政府に地位協定の見直しを要求。全国知事会も、この夏政府に提出する「国の施策予算に関する提案・要望」に地位協定見直しを初めて盛り込むことを決めました。
日本共産党は、日米地位協定の抜本改定を主張。安保条約廃棄の運動と結びつけてとりくんでいます。(山)
〔2001・7・29(日)〕
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