日本共産党

2001年8月1日(水)「しんぶん赤旗」

法律扶助制度とは?


 〈問い〉 先の国会で、共産党が政府に法律扶助制度の拡充を求めていましたが、法律扶助制度というのはどういうものですか。(山形・一読者)

 〈答え〉 憲法第三二条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」として、国民の裁判を受ける権利を保障しています。しかし、裁判を受けるには訴訟費用や弁護士費用がかかるため、費用を負担できない人にとっては、権利は絵に描いたもちになってしまいます。「借金がかさみ、自己破産したいが申立費用がない」「弁護士費用がないため、離婚の際に充分な養育費がもらえなかった」等々――このような人たちの裁判を受ける権利を経済的な面から実質的に保障しようというのが、法律扶助制度です。

 民事法律扶助制度には、弁護士による資力に乏しい人への無料法律相談と、弁護士を代理人とする費用の立替援助制度があります。法律相談は、法律扶助協会の支部、または協会から委託を受けた弁護士会や法律事務所で受けられます。立替援助は、協会の支部に依頼者本人が直接申し込むか弁護士を通じて申し込む方法があります。

 昨年度、民事法律扶助を公的事業とする民事法律扶助法が成立。国の責任が明確になり、国庫補助金が増額されました。ただ、事業費への国庫補助金はまだまだ足りません。法律扶助の国民一人当たり国庫負担は、ヨーロッパ三百円〜二千二百円、韓国三十二円に対し、日本は二円に過ぎません(一九九六年度)。また、日本の法律扶助制度は、原則立替制度なので最終的には資力に乏しい人でも全額償還(返済)しなければなりません。外国には法律扶助を原則無償とする国が多くあります。

 日本共産党は、法律扶助事業費への予算のいっそうの増加、法律扶助費の原則無償化など、法律扶助制度の拡充を強く求めています(六月二十八日参院法務委、橋本敦議員=当時=など)。(崇)

 〔2001・8・1(水)〕


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