日本共産党

2001年8月19日(日)「しんぶん赤旗」

介護保険制度で当面の改善策は?


 〈問い〉 介護保険制度がスタートして一年余がたちましたが、負担の重さなど問題が噴き出しています。日本共産党は、どのような改善策を主張しているのですか。(長野・一読者)

 〈答え〉 ご指摘のように介護保険実施一年余で、当初から危惧(きぐ)された矛盾が浮き彫りになっています。真に介護を必要とする低所得の高齢者が、利用料や保険料の重さから十分なサービスを受けられない事態は重大です。在宅サービスの利用者が、政府の当初予測より七十万人も下回ったことは、この事情を反映しています。また、現在半額徴収の高齢者の保険料が十月から満額徴収になり、保険料は二倍に、年間の保険料負担は昨年の三倍に増えます。

 日本共産党は、このような実態を踏まえ、次のような改善措置を政府に申し入れました(党国会議員団、六月六日)。

 第一は、利用料、保険料の免除・軽減措置を国の恒久的な制度として確立することです。在宅サービスの利用料を住民税非課税者まで無料にすること、当面の緊急対策として政府の「特別対策」を拡充し、十月からの保険料値上げは凍結し、すべての在宅サービスを三%にすること。また、保険料は、住民税非課税者の負担を免除する恒久的な対策をとることです。

 第二は、介護サービス基盤の整備に全力をあげることです。待機者が急増している特別養護老人ホーム、痴ほう性高齢者のためのグループホームの整備、ショートステイの利用の仕方の改善は急務です。

 第三は、福祉現場の労働条件悪化の改善です。介護保険実施後、ホームヘルパーなど福祉・介護労働者の労働条件が悪化しており、介護報酬の見直しを含め早急に改善策を講じる必要があります。

 第四は、要介護認定の一次判定コンピューターソフトが痴ほうの状態を反映できないなどの欠陥が指摘されている問題で、コンピューターによる要介護認定を改善することです。(龍)

 〔2001・8・19(日)〕


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