2001年8月23日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 「公共事業費五十兆円、社会保障費二十兆円」と財政の逆立ちを批判する時の社会保障費の数字の根拠を教えてください。 (愛媛・一読者)
〈答え〉 公共事業や社会保障に国民の税金がどのように使われているのかを見る場合、国と地方の財政を合わせて見る必要があります。
社会保障費二十兆円というのは、社会保障給付にあてるために毎年集められる財源のうち、国民、企業の負担する保険料などを除いた公的負担(国と自治体の負担)の額です。毎年、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表する『社会保障給付費』の中に「社会保障財源の項目別推移」が載せられており、「公費負担」額の推移がわかります。一番新しいデータは九八年度で、二十一兆九千億円です。
一方、公共事業費(国の一般会計と特別会計、地方自治体の公共事業費、公団や地方公営企業等の事業費)は、九八年度で四十七兆三千億円です(総務省作成の『行政投資実績』)。
年によって多少の変動があるものの、公共事業費五十兆円、社会保障費二十兆円という財政の基調は九〇年代を通じて変わっていません。
公共事業への投資が社会保障への公的負担より大きいなどという国は、日本のほかにはありません。これまで自民党政治は、むだと浪費の大型公共事業を膨らませる一方で、社会保障財源への国庫負担を次々に削ってきました。公共事業中心の逆立ちした財政を暮らし・社会保障中心に切り替えることは、財政再建の上でも、景気回復の上でも急務の課題です。(豊)
〔2001・8・23(木)〕
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