日本共産党

2001年8月25日(土)「しんぶん赤旗」

小泉内閣が処理を考える「不良債権」とは?


 〈問い〉 小泉内閣が処理するといっている「不良債権」とは、どのようなものをさしているのでしょうか。(北海道・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣が「構造改革」の名で2〜3年内に「最終処理」を行うという不良債権とは、いわゆる「破たん懸念先以下」といわれる債権です。状態の悪い債権を順に「破たん・実質破たん先」「破たん懸念先」「要注意先」に区分し(金融庁の「金融検査マニュアル」など)、3つのうち「要注意先」を除く前二者の債権を「破たん懸念先以下」と呼んでいます。「破たん懸念先」は名前のとおり、まだ破たん(倒産)していない生きている企業です。

 日本共産党は、最終処理の対象となっている大手16行の「破たん懸念先以下」の不良債権12・7兆円(2000年度末期)について独自に試算し、最終処理の対象となる中小企業は20〜30万社にのぼることを明らかにしました(佐々木憲昭議員、5月28日衆院予算委)。

 これら中小企業の不良債権といわれるものは、住専のようなバブル型の乱脈経営ではなく、長い不況下でまじめに働いても売り上げをのばせず経営難に陥り、資金繰りに困っている不況型の中小企業が圧倒的です。不良債権の最終処理とは、これらの企業をも容赦なく倒産させていくという政策です。企業倒産についての有力調査機関・帝国データバンクの「4月報」は、小泉内閣の「構造改革」について「倒産急増と失業増加という想像を超える大きなダメージを後に残すだけになるのは避けられない」と指摘しています。

 大量倒産と大量失業が生み出されれば、景気はさらに悪化し、不良債権のいっそうの拡大をもたらすでしょう。

 日本共産党は、生きている中小企業を無理やりつぶす政策ではなく、国民の家計を直接応援して景気をよくし、中小企業の経営をたちゆくようにしてこそ不良債権問題の解決にも道が開けると主張しています。(龍)

 〔2001・8・25(土)〕


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