日本共産党

2001年9月2日(日)「しんぶん赤旗」

保育所の待機児問題を解決するには?


 〈問い〉 申し込んでも子どもが保育園になかなか入れないという声を聞きます。どうしたらいいと考えますか。(神奈川・一読者)

 〈答え〉 保育所に入所できない待機児は毎年四月に三万人を超えています。不況のもとで「子どもをあずけられればすぐ働きたい」人が増え、仕事と育児の両立への要望も高まっています。はじめから申し込みをあきらめている人も多く、潜在的な待機児はこの数倍とも言われます。しかし、政府が一九九〇年代以降に整備した保育所は四百カ所程度であり、七〇年代の約八千カ所から見れば大きな立ち遅れです。大銀行・ゼネコン最優先の逆立ちした政治の結果です。

 しかも、政府は保育所増設には背を向けたまま、定員の25%増という「つめこみ保育」をすすめてきました。小泉内閣は「待機児ゼロ作戦」といいながら「規制緩和」の名で保育所の設置や職員の配置基準を決めた「最低基準」を引き下げ、保育を民間営利企業の手にゆだねようとしています。

 日本共産党は、このような小泉流の保育行政ではなく、すべての子どもが最善の環境のなかで保育されるために国と自治体の責任を定めた児童福祉法に基づいて、待機児問題を解決するよう提案しています。

 まず、四月の待機児を解消するためには、たとえば九十人規模の保育所が三百七十カ所必要ですが、財源の約六百億円(国は半分)は三千億円の公共事業等予備費(二〇〇一年度)を振り向ければ可能です。

 年度途中の入所と、待機児の七割を占める〇〜二歳児の受け入れ枠の拡大のために政府の責任で保育所の入所希望を調査し、「保育所整備計画」を作成・促進していきます。

 また、八時間が原則とされている保育時間を保護者の勤務・通勤時間にあわせて改善することや「延長・夜間保育」を保障するため、国際的な水準からも立ち遅れている保育士の増員などをおこなうために、当面、保育所運営費を現在の二倍に引き上げることなどを提案しています。(吉)

 〔2001・9・2(日)〕


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