日本共産党

2001年9月8日(土)「しんぶん赤旗」

ヨーロッパでの失業者の給付制度の現状は?


 〈問い〉 ヨーロッパでは雇用保険の給付などが日本よりもいいそうですが、どうなっているのですか。(愛知・一読者)

 〈答え〉 七月の失業率は史上最悪の5%、完全失業者は三百三十万人にのぼります。失業問題が深刻になり、中高年をはじめ、失業期間は延びているのに、政府は昨年、雇用保険予算を六千億円削減し、定年と自発的な離職の場合の失業給付期間を三百日から百八十日に短縮しました。非自発的な離職の場合は三十日間延長していますが、それでもわずか十一カ月です。

 給付期間が短く就職先が見つからないうちに期限がきてしまうために、失業給付を受けている人は失業者全体の三割の百万人にすぎません。期限が過ぎれば、それ以降は何の給付も補助もなく、セーフティーネットといってもきわめて貧弱なもの。

 これにたいし、ヨーロッパ諸国では、原則として仕事が見つかるまで失業補償をしており、失業者の七〜八割が失業給付を受けています。

 ドイツでは、失業保険と失業扶助制度があり、三〜三十二カ月、賃金の60%の失業給付が支給されます。この期間に就職できなかったり、受給資格がない労働者には、失業扶助制度(全額国庫負担)で賃金の53〜57%が一年間支給され、次の職が見つかるまで支給されます。更新も可能です。

 フランスでは、公務員を除く全被用者を対象に三段階の失業給付があり、年齢、被保険期間によって四〜二十七カ月間基本手当が支給されます。その後二段階、三段階と減額され、最長六十カ月、五年間の保障があります。その後は生活保護的支給にうつります。

 イギリスは給付期間は最長百八十二日ですが、期間終了後は福祉手当が支給されます。

 日本共産党は、解雇規制や積極的な就労対策とともに、ヨーロッパ並みの失業給付期間の延長を求めています。(大)

 〔2001・9・8(土)〕


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp