2001年9月12日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 九月十八日で「柳条湖(りゅうじょうこ)事件」から七十年になると聞きました。この「柳条湖事件」とはなんですか。(埼玉・一読者)
〈答え〉 日本の中国への公然とした侵略戦争の発端となった謀略事件です。一九三一年九月十八日夜、中国東北部の奉天(現在の瀋陽)近郊の柳条湖付近で発生しました。日本の陸軍部隊・関東軍が、南満州鉄道(満鉄)線路上で自分で爆薬を爆発させながら、これを中国軍のしわざだとして、近くの中国軍兵営を攻撃したのです。
日本は、この事件を機に中国東北部全域に侵略し(「満州事変」)、翌三二年三月には日本いいなりのカイライ国家「満州国」をつくり上げて植民地にしました。さらに三七年七月、盧溝橋事件をきっかけに中国への全面的な侵略戦争を開始。四一年十二月には侵略の手をアジア・太平洋全域に広げていったのです(太平洋戦争)。
軍の指揮・命令権を持つ昭和天皇は、「満州事変」に際して、関東軍の軍事行動を容認し、翌年一月には同軍将兵を最大限にたたえる勅語まで発表。当時の天皇制政府は特別な戦費も支出しています。
こうしておこなわれた中国東北部侵略で、同地方は日本によって資源や食糧、農民の耕作地などを略奪され、また、直接の戦闘だけでなく資源開発などの過酷な強制労働によっても、多くの中国や朝鮮の人たちが命を奪われました。
当時の日本で、この侵略戦争に反対した政党は日本共産党だけでした。
日本共産党は一九二二年の創立時から“中国の領土からの全日本軍の撤退”を掲げ、「満州事変」が始まった二日後の一九三一年九月二十日には、中国共産党との戦争反対の共同声明を発表しています。(た)
〔2001・9・12(水)〕
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp