2001年10月7日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 小泉内閣が都市基盤整備公団の民営化を打ち出していますが不安です。日本共産党は都市基盤整備公団の民営化をどう考えていますか。(東京・一読者)
〈答え〉 八月に発表された行政改革推進事務局案は、都市基盤整備公団の「再開発」部門は残す一方で、新規賃貸住宅建設から撤退、既存賃貸住宅を売却するとしています。その後、小泉首相は、特殊法人「改革」をめぐり、国土交通省に都市基盤整備公団など四公団の廃止あるいは民営化を迫り、同省は、九月二十一日にその案を発表しました。
案によると、第一段階で公団住宅の管理運営を民営化し、第二段階で公団本体を政府が全額出資する特殊会社(株式会社)に移行するとしています。
石原行革相などは、都市公団について、「採算性の重視」を強調しています。しかし、不良債権を含む過大な土地を買い、銀行・ゼネコンなど大企業を救済する「土地有効利用事業」を推進する一方、需要のないビルを建て、膨大な赤字を生み出す「都市再開発」優先こそが、都市公団の財務、採算を悪化させているのです。
また、「民業を圧迫している」などともいいますが、経営効率最優先の民間企業に、中低所得者への良質な賃貸住宅、住宅提供という役割を公団に代わって担えないのも明らかです。「住宅は充足している」という意見も「二百二十四万世帯が最低居住水準に達していない」(全国公団住宅自治会協議会)という現状を無視したものです。
本来、民営化より優先されるべきは、天下り役員による公団の官僚的経営、情報開示の不足など、不明朗な公団運営です。
日本共産党は「大企業の食い物にするための『民営化』ではなく、国民の暮らしに役立つ特殊法人改革を」(二〇〇一年七月)で「官僚の天下りや政治と業界との癒着構造」に徹底的にメスを入れることを提案。七十五万戸の公団住宅を民間へ売却することに反対し、良質で低家賃の住宅を供給・管理するという本来の任務に立ち戻ることを要求しています。(諭)
〔2001・10・7(日)〕
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