2001年10月27日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 今のテレビは何年後かに使えなくなると聞きました。本当ですか。このことについて日本共産党はどう考えますか。(福島・一読者)
〈答え〉 人工衛星からの電波をパラボラアンテナで受信するBS放送やCS放送では、従来のアナログ方式(電波の強弱で信号の内容を表す)から、新しいデジタル方式(パソコン通信などと同じように0と1の符号で内容を表す)への転換が進んでいます。「今のテレビは何年後かに使えなくなる」というのは、地上波(テレビ塔などからの電波を受信する普通のテレビ)の放送が、これらに続いてデジタル化されることを言っているのだと思います。
二〇〇三年に地上波テレビのデジタル放送が始まっても、サイマル放送(従来のアナログ方式でも、デジタル放送と同じ内容の番組が放送される)が行われますから、さしあたり従来のテレビが映らなくなることはありません。しかし、サイマル放送の終了後は、別途にアダプター(デジタル放送の信号をアナログテレビ受像機用の信号に変換する装置)を買ってとりつけない限り、いま手持ちのテレビでは何も見ることができないということになります。
日本共産党は、新しい技術の成果を国民に普及することは当然と考えており、地上波テレビ放送をデジタル方式に移行することにも反対していません。しかし、現に多くの国民が使っているテレビ受像機が、突然使えなくなるようなことは、あってはならないと考えます。
このデジタル移行に関連する法律が、今年の通常国会で成立し、サイマル放送の打ち切りが、遅くとも二〇一一年と決まりました。デジタル方式の普及がどのように進むかは、今の段階で明らかでないにもかかわらず、移行完了期日を法律で決めてしまったことになります。日本共産党は、このようなやり方は、「いつまでには今のテレビは映らなくなる」と国民を脅すことで受像機の買い換えを促進しようとするものだと批判し、法案に反対しました。(哲)
〔2001・10・27(土)〕
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