日本共産党

2001年10月28日(日)「しんぶん赤旗」

 銀行法「改正」案に反対したのは?


 〈問い〉 一般業から銀行業への参入を促進する銀行法の「改正」に日本共産党は反対したそうですが、どこが問題なのですか。 (兵庫・一読者)


 〈答え〉 銀行は預金を受け入れ、貸し付けを行うこと、また資金の決済業務の中核をになうことによって、経済活動の重要な役割を有しています。そのために銀行法は、その目的に公共性をうたい、業務範囲の制限を始め、業務に一定のルールを定めています。

 また預金保険法によって、一定額の預金を保護するしくみも整えられています。

 こんどの銀行法の「改正」によって、銀行以外の他産業や投資ファンドが銀行の親会社になる道が開けます。親会社は銀行法の直接の対象ではないので、公共性などの目的を度外視し、もっぱら営利を追求しますが、子会社である銀行にも同様の営利追求を求めることが当然予想されます。

 一般事業者が子会社として銀行を保有した場合に最も懸念されるのは、親会社が本業のもうけの拡大のために、子銀行から過度な融資を引き出すなどによって利用することです(機関銀行化)。その結果その銀行の経営は不安定となり、場合によっては破たんに至ることもありえます。

 こうした事例は昭和初期の金融恐慌時に頻発し、多くの銀行を破たんに追いやったことは周知の事実です。戦後では、子会社として銀行を保有するという事例は少ないが、バブル時に銀行が不動産業やゼネコンなどへ接近したことが、地価暴騰をあおった最大の原因であることは明らかです。

 この上、一般産業や投資ファンドが銀行子会社を持てるようになると、最大限利潤をあげるために子銀行を利用し、その結果預金者や国民に大きい被害を与えることが懸念されます。(合)

 〔2001・10・28(日)〕


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