2001年10月31日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 公立学校に習熟度授業が導入されると聞きましたが、これを日本共産党はどう考えていますか。(福島・一読者)
〈答え〉 子どもたちの学習を援助するためには、多様な方法が必要なことはいうまでもありません。こうした立場から、日本共産党は、画一的授業でなく、各人の到達度や教科目の特徴に応じて、弾力的な学習単位の編成や、到達度別学習、グループ学習、個別指導と集団指導の結合など多様な教育活動を可能とするために、教育条件の改善をはかることを主張してきました。
とくに「授業についていけない」「授業がわからない」子どもが広がっている時に、一時的に到達度に応じて教えることや小規模のグループで教えることは、子どもがつまずいているところをていねいに教えられるなど、子どもの教育にとって有効な場合があります。
しかし「習熟別学習」を固定化したり、偏重したりすれば、差別・選別の教育になる危険があります。たとえば、子どもたちを「できる子」と「できない子」のグループにふるい分けするようなことをすれば、子どもたちの心を傷つけ、結局、学力形成にもマイナスです。それだけに、本当に子どもたちのためになるよう、すべての子どもに豊かな基礎学力を保障することを目的にして、教員、子ども、父母が納得できる教育の条理にたった方法で、自主的なものとしておこなわれることが大切です。
ところが、文部科学省がいま進めている「習熟度別学習」は、国と地方の予算誘導によって自主性なしに学校へ強制される危険があり、内容的にも、教育の条理を無視した乱暴なものとなる危険があります。とくに同省が、学力格差の拡大が現実の問題になっているにもかかわらず、教育の現状を「行き過ぎた平等主義」とえがいて、これからの教育について「できる子」を「のばす」ことに力点をおこうとしていることは重大です。(森)
〔2001・10・31(水)〕
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