日本共産党

2001年12月1日(土)「しんぶん赤旗」

 少人数学級が各地の自治体ですすんでいるのは?


 〈問い〉 最近になって、いろいろな人たちの努力で少人数学級が各地の自治体で実現していますが、何か理由があるのですか。(山形・一読者)

 〈答え〉 今年度から児童、生徒数が一定数以上の場合に、秋田県や新潟県で小学校一、二年生を対象に三十人程度、広島県で小学校一年生で三十五人以下、愛媛県も小学校一年生と中学校一年生で三十五人、鹿児島県で小学校一年生で三十五人の学級編成をとるようになりました。

 これは、今年三月に「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」が改定され、これまで学級編成は事実上、国の定める基準によるとされていたのが、児童、生徒の実態を考慮してとくに必要があると認めた場合については、都道府県教育委員会がそれを下回る数を定めることができるようになったからです。

 国の基準は一学級四十人のままですが、都道府県の判断で少人数学級も可能としたのです。ただし、それに対する国庫負担はなく、実施にあたっての教員の人件費などは都道府県もちでやりなさいというものでした。(日本共産党は民主党、社民党とともに三十人学級実施法案を出しましたが、自民、公明、保守、自由党などによって否決されました)

 アメリカ(オハイオ州)二十五人、ドイツ二十四人、ロシア二十五人など諸外国では少人数学級は当たり前になっています。また、日本の国立教育政策研究所が六月に少人数学級の教育効果を明らかにするなど、その効果ははっきりしています。

 山形県知事は二、三年以内に小、中の全学級で三十人学級を実施するとしています。埼玉県は独自に二十五人学級(一、二年生)をめざす志木市の方針を認め、雇用調整交付金などで財源の手当てをするとしました。

 各地で少人数学級が進んでいるのは、国の教育行政のおくれに業を煮やした地方自治体が負担をしてでも、少人数学級に足を踏み出しているといえるでしょう。(

 〔2001・12・1(土)〕


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