日本共産党

2001年11月1日(木)「しんぶん赤旗」

 政府は健保財政が赤字だというが?


 〈問い〉 政府は健康保険が赤字なので、医療改悪は仕方がないようにいいますが、これをどう考えたらいいのでしょうか。 (山梨・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣がすすめる健康保険自己負担の二割から三割へのひきあげ(本人)、老人保健制度の適用年齢の七十五歳への段階的なひきあげなどの医療改悪は、最悪の犠牲を国民にしいるものです。

 政府は高齢者の医療費が増加し、保険財政を圧迫しているなどを理由として、国民負担増を強行しようとしていますが、日本の医療費は、主要国の比較でも、経済力に比べてけっして多いとはいえません。

 医療保険を赤字にした最大の原因は、政府が、この二十年ほどの間に医療費に占める国庫負担の割合を大幅に減らしてきたことにあります。老人医療費でいえば、一九八三年の老人保健法制定時の44・9%から31・9%(二〇〇一年度予算)に下げています。これをあらため、国費支出割合を元にもどすことこそが健康保険の赤字を解決する道です。

 財政の無駄な大型公共事業の浪費を削ること、世界一高い薬価に抜本的なメスを入れて欧州並みに引き下げることなどをすれば、財源もできます。

 小泉首相が厚生大臣だった一九九七年の健保の本人負担の一割から二割への引き上げ、今年の老人医療費負担増による受診抑制から、国民的な規模での健康悪化がすすんでいます。受診抑制は、早期発見・早期治療を困難にし、逆に病気の悪化・進行をまねき、社会的費用を押し上げるだけです。これ以上の負担増は、さらに深刻な事態をまねくことは明らかです。

 日本経済もいっそう深刻になっているときに、大幅な負担増を強いて社会的な不安を増幅させることは、個人消費をますます落ち込ませ、日本経済を破滅に導きかねません。

 日本共産党は、国民の命と健康を守り、日本経済を救うためにも、「医療の大改悪を許すな」という国民的な大闘争をよびかけています。 (動)

 〔2001・11・1(木)〕 


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