日本共産党

2001年11月10日(土)「しんぶん赤旗」

 有機農業への支援策は?


 〈問い〉 私は化学物質アレルギーとなり、有機農業を営んでいます。日本共産党は有機農業への支援をどうしようと考えていますか。  (岩手・一読者)

 〈答え〉 自然の生産力を高め、環境との調和をはかる有機農業を生かすことは、安全な食料を生産、供給するうえで大事な課題です。わが国の有機農業は、政府がほとんど目をむけないなかで、高温多湿の気候や自然条件のもとで、有機物による土づくりや減農薬、減化学肥料栽培を含めて、農産物の安全を高める農家と消費者の努力と信頼関係のなかでとりくまれてきました。

 政府は昨年六月、日本農林規格(JAS)法の有機農産物の検査・認証制度をスタートさせました。基準づくりは必要ですが“三年以上農薬・化学肥料などの化学物質を一切使用しない農地で栽培した農産物に限る”とするなど、冷凉、乾燥地域を中心にした国際基準をそのまま適用しました。そのため、これまでのとりくみを生かすことができない問題も生じています。

 この農水省の対応は、有機農産物が増えても減ってもかまわない、好きな人がやればいいというスタンスであり、生産や流通など具体的な政策をとろうとしないためです。

 日本共産党は、国際基準を一律にあてはめるのでなく、日本の気候・自然条件に応じた有機農業を発展させるべきだと考えています。

 日本農林規格法改正の審議では、有機農業の定着、普及、拡大をはかるため、農家が安心して生産にとりくめるよう、基盤整備や所得の安定などの生産から流通にいたる総合的な支援策を法律上も明記するよう要求しました。

 その具体的な内容としては、生産者の努力を正当に評価する価格政策をはじめ、従来の農法から有機農業へ転換する際の技術習得への援助や転換期間中の減収に対する所得補償、病害虫に強い種苗の開発、土壌を維持培養するための良質な有機肥料の供給などです。(野)

 〔2001・11・10(土)〕


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