2001年12月5日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 政府が住宅金融公庫を廃止するといっていますが、共産党はこれをどう考えますか。(長崎・一読者)
〈答え〉 「住宅金融公庫」は、戦後住宅難のなかで、1950年、国民の住居の安定と居住水準の向上を図るために設立され、勤労世帯の個人住宅建設・購入を支援する長期償還、固定、低金利の融資機関として役割をはたしてきました。
住宅を建設・購入する際の資金の調達先として「公的金融機関」の占める割合は、4割(金額ベース)に達しています。融資先の平均年収は、個人持ち家で684・5万円、民間分譲で747・5万円で、所得階層740万円未満が6割を超えています。平均年齢は40歳前後です。これらの調査指数から、家計支出が多い世代の低所得層に融資している現状がうかがえます。
民間金融機関でも一部に固定金利、長期ローンを実施しているものもあります。しかし、固定であっても短期間で、長期では高金利になっています。民間の調査によると「民間金融機関に融資を断られた理由」の上位に「自営業」「担保不足」「勤続年数(不足)や転職(している)のため」、さらに「勤め先が中小企業」などがランクされており、「公庫」が廃止されると多くの勤労者が安心して、住宅を購入することが困難になります。
また、「公庫」は現在まで住宅の広さや快適性をひきあげたり、バリアフリー住宅を誘導するなど、質の向上に一定の役割をはたしてきました。「公庫」の廃止や公団住宅の民営化は、国民の住宅確保をすべて民間の競争原理にゆだね、国が住宅政策から全面的に撤退することにほかなりません。日本共産党は、このような庶民の住宅確保のための「公庫」つぶしには反対し、さらに使いやすい金融機関にすることが必要であると主張しています。(加)
〔2001・12・5(水)〕
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