2001年12月13日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 医療費の患者負担増で受診抑制がおこっているといいますが、どういうことですか。 (東京・一読者)
〈答え〉 いま、国民的規模で受診抑制がおこっていることは、政府自身の統計によっても裏付けられています。
厚労省が厚生省時代から出している、国民生活基礎調査によると、九八年の二十五歳から六十四歳までの人のうち、病気の自覚症状を訴えている人(有訴者)の割合は30・0%なのに、実際に病院で診療を受けている人(通院者)の割合は26・2%となっており、3・8%が受診抑制となっています。
それまでの受診抑制(有訴者率と通院者率との差)は1%程度だったことから見ると、四倍近くに増えたことになります。
この九八年の受診抑制をもたらしたものが、小泉首相が厚生大臣をしていた九七年の、医療改悪です。この年、サラリーマン本人の負担を一割から二割に倍増、七十歳以上のお年寄りの負担を増やしました。
いま、小泉内閣はいっそうの患者負担増の方針を打ち出しています。政府・与党がまとめた社会保障改革協議会の「医療制度改革大綱」は、現行のサラリーマン本人二割負担を三割に引き上げ、政府管掌健保の保険料率も引き上げるなどを打ち出しています。
この方針が強行されることになれば、さらに深刻な受診抑制が起こることが考えられます。
早期発見、早期治療は、国民の健康と医療費の合理的節減にとっても基本です。EU加盟十一カ国は、基本的に窓口負担は無料にしています。
日本共産党は、公共事業のむだにメスをいれること、世界でも高い薬価をせめて欧米並みに引き下げることで国民の医療や社会保障を守り発展させることができると提起し、この医療改悪を阻止するための運動を呼びかけています。(清)
〔2001・12・13(木)〕
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