日本共産党

2001年12月15日(土)「しんぶん赤旗」

 政府の圧力で企業倒産とは?


 〈問い〉 信金や信組への不良債権処理をすすめる政府の圧力で倒産する企業が続出しているといいますが、どうしてですか?(徳島・一読者)

 〈答え〉 いま各地で、金融庁の実態を無視した一律の検査を引き金に、信用組合、信用金庫の経営破たんが続出しています。このあおりを受けた連鎖倒産も増えています。

 この金融庁の検査では、大手銀行と同じ「金融検査マニュアル」により、借り手企業を債務者区分し、多くのまじめな中小零細企業を「不良債権」扱いします。

 というのは、信組、信金などの地域金融機関は、大企業のような担保がなくても地元経済を支える役割を果たし、中小企業への融資をおこなっています。このような融資先は、不況で赤字になれば、金融庁の「マニュアル」では真っ先に「最終処理=倒産処理=」をしなければならない「不良債権」とされます。

 そこで金融庁は、これら「不良債権」とされた中小企業の融資について「貸倒引当金」の積み増しを、信金・信組に対して指導します。そのため信金などは、新たな引当金の積み増しが必要になり、債務超過となって破たんがつづいているのです。融資を受けていた中小企業も信金などの破たんで資金繰りが困難となり、相次いで倒産に追い込まれています。

 政府のいまのやりかたは、景気をいっそう悪化させ、不良債権をますます増やすという悪循環を招いています。大手銀行だけみても、不良債権の新規発生が処理額をうわまわり、“終わりなき不良債権処理”になっています。

 小泉内閣の「不良債権処理」とリストラ応援の政治では、不良債権問題の解決も景気回復もできません。日本経済がいま必要としているのは、冷え込んだ個人消費をあたためることを中心にして、景気を回復の軌道に乗せていくことです。(

 〔2001・12・15(土)〕 


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