2001年12月22日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 小児難病医療費の全額免除事業を見直す検討会が開かれてきましたが、来年度はどうなるのでしょうか。(新潟・一読者)
〈答え〉 小児難病患者の医療費自己負担分を、国などが補助するのが「小児慢性特定疾患治療研究事業」です。厚生労働省は九月から検討会を開き、この事業の見直しをすすめてきました。患者家族が要望する、事業の法制化の問題のほか、対象疾病の見直し、自己負担導入も検討課題としています。
当初、今年度内に結論をまとめる意向でしたが、十二月の検討会で二〇〇二年五月に「取りまとめ」とするスケジュール案が示されました。日程が来年度まで伸びたため、年度内に結論は出ず、来年度は、小児難病の医療費全額免除事業が続けられることになりました。
小児の慢性疾患は、治療が長期にわたり医療費負担も高額ですが、親も若い世代が多く経済的困難が大きいのが特徴です。
この小児慢性特定疾患治療研究事業は、一九七四年に厚生省の事業として、はじまりました。指定された小児慢性疾患について、研究を推進し、医療の確立・普及、患者家族の負担軽減などを図ることがこの事業の目的です。十八歳未満(疾病によっては二十歳まで)の患者が対象で、ぜんそく、糖尿病など十疾患群、約五百疾病の治療研究と患者の医療費を全額免除しています。原則一年以内で、治療を継続するには毎年申請します。都道府県などが支出した費用の二分の一を国が補助します。
自己負担の導入は、本来診療が中断できない難病患者にも、受診抑制を引き起こします。九八年五月、四十五の国指定難病の患者(四十三万人)に、一部自己負担が導入されました。難病患者とその家族で構成する日本患者・家族団体協議会(JPC)の調査でも、導入直前の九八年四月と比べ、導入一年後の五月には約二万件(三十七府県)も減っています。
日本共産党はさきの参院選では難病患者の医療費無料化の復活をもとめました。(獏)
〔2001・12・22(土)〕
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