2001年12月6日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 昨年、親の経済的理由で退学した私立高校生が二千人もいると聞きましたが、学費の減免などはできないのでしょうか。 (島根・一読者)
〈答え〉 親が倒産したり、失業するなどで私立高校の授業料の支払いが困難になった場合、国が補助をする制度(授業料減免事業臨時特別経費)があります。
この制度を利用するには倒産、失業などで家計が急変し授業料の支払いが困難になった場合、私立高校に授業料の減免措置を求めます。私立高校は減免措置を決め、都道府県に減免金額の補助を申請。都道府県は私立高校に減免金額を補助します。その金額の二分の一を国が負担することで支援をする仕組みです。
これまでに、父母・生徒や全国私立学校教職員組合連合など教職員が、私学助成の充実などをもとめる署名運動にとりくみ世論が広がりました。また日本共産党は国会で、私学の授業料減免に国の補助検討を求めました。これらが「新たな補助制度は困難」としてきた国を動かして、昨年度(二〇〇〇年度)から実施されているものです。減免措置をする私立高校が増えると期待されますが、文部科学省の調査では昨年度、私立高校を経済的理由で退学した生徒は二千三十五人にのぼるなどまだこの制度が十分に活用されていません。
昨年度は予算額三億円に対し都道府県への交付額は一億三千七百万円、二千五百人の対象人数に対し千百人の実績にとどまりました。補助金の交付を受けなかった県は十県もありました。ある県では県の私学助成の担当者、校長がこの制度をよく知らなかったり、また、ある県では補助の対象となるケースを厳しく制限するなどせっかくの制度が生かされていません。
私立高校に授業料の減免措置に踏み切るよう働きかけるとともに、各県で補助をさらに充実させる運動を広げていくことがこの制度を生かすかぎになります。(昭)
〔2001・12・6(木)〕
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