日本共産党

2002年1月12日(土)「しんぶん赤旗」

BSE感染牛の発見が続いたのはなぜ?


 〈問い〉 BSE(狂牛病)感染牛の発見が続きましたが、なぜ日本で次々出てくるのでしょうか。(北海道・一読者)

 〈答え〉 BSE(狂牛病)は、異常プリオンに汚染された肉骨粉を供与された牛に発症するとされています。

 1996年4月、WHO(世界保健機関)は加盟国に「BSE物質を含む可能性のある組織が、いかなる食物連鎖(ヒトおよび動物の)にも入らないようにする」「反芻(はんすう)動物の飼料に反芻動物の組織を使用することを禁止する」を主な内容とする勧告をおこないました。英国で大量は発生したBSEが、人に感染する可能性を否定できないなかでのことです。

 これを受けて日本政府が、肉骨粉の輸入を禁止し、牛への肉骨粉供与を法的に禁止していれば、日本でのBSEの発生は防げたといえます。

 しかしながら、日本政府は、ヨーロッパのBSE発生国などからの牛などの肉骨粉輸入が8万トンもありながら、肉骨粉の牛への供与を法的に禁止せず、単なる行政指導にとどめました。また、牛の配合飼料製造工程や飼料配送段階での肉骨粉防止措置さえ、昨年の6月まで取らずにいました。具体的な感染ルートは未解明ですが、こうした日本政府の対応の結果、牛の肉骨粉を通じて異常型プリオンが日本に持ち込まれたと想定されています。感染牛の異常型プリオンの型がヨーロッパで広がっているものと一致していることもそれを裏付けるものです。汚染の規模によっては今後も感染牛の発生が続く可能性があります。

 問題は96年のWTO勧告を受けて開かれた農林水産省の検討会や審議会で、専門家から牛への肉骨粉供与の法的禁止を求める声が出されていたにもかかわらず、無視、放置し適切な措置をとらなかったことです。政府の責任は重大で、原因の解明と消費者の信頼回復、畜産農家や酪農家の被害補償と経営再建の義務があります。()

[2002・1・12(土)]


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