2002年3月27日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 京都でかつて「地方自治の灯台」とよばれた蜷川府政があったそうですが、どんな府政だったのですか。(東京・一読者)
〈答え〉 蜷川京都府政は、一九五〇年以来七期二十八年、京都府民に支えられた民主府政です。七八年、蜷川虎三京都府知事が退陣表明したとき、当時の商業新聞も「三十年近くにもわたって『住民の暮らしを守る』地方自治の精神を貫き通してきた」「“地方自治の灯台”であったと評価してもよいのではないか」(毎日新聞社説、三月五日付)と述べました。
蜷川府政では、労働セツルメントや「ろばた懇談会」などを接点に、労働者、中小業者、農漁民ら住民が要求をもちより共同を広げ、府も協力して施策を練り上げました。この共同は日本国憲法や地方自治法が制定されてまもない時期から、「憲法をくらしにいかす」とりくみを支え、中央いいなりでない独自の施策に結実しました。
よく知られたものだけでも、
▽蜷川府政誕生直後の五一年実施された、全国初の中小企業小口融資制度や、全国に先駆ける無担保・無保証人融資制度となった六六年の小企業特別融資制度などの中小企業支援。また丹後機業や西陣機業、友禅など地域の伝統産業の振興
▽魚礁設置や小規模漁港改良事業など「とる漁業より育てる漁業」の推進や、政府が減反政策をはじめると、政府の買い入れ制限からはみ出す“余り米”の流通費を援助する七一年の米生産調整対策事業(「京都食管」)などの農林漁業振興
▽七三年、県段階では全国に先駆けて実施した六十五歳以上のお年寄りの医療費助成制度や、「十五の春は泣かせない」高校増設などの福祉・教育の充実のとりくみ
▽汚れていた鴨川に清流を取り戻す運動をはじめとする環境保全対策
―など数多くの実績を残しました。中小企業融資や高齢者医療費助成などは全国の多くの自治体に広がりました。(水)
〔2002・3・27(水)〕
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp