2002年1月23日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 小泉内閣は公共事業の削減を公約にしていたはずですが、どうなっているのでしょうか。(和歌山・一読者)
〈答え〉 この間に小泉内閣がつくってきた二〇〇二年度予算案などをみると、「見直し」が公約された公共事業は、この半年間、削減されたどころか、いっそう増えたというのが実態です。
小泉首相は、内閣発足直後の〇一年五月十日の国会質問で「公共事業を含むあらゆる歳出について、聖域を設けることなく、徹底した見直しを行っていきたい」と、公共事業にもメスを入れる公約をしました。
〇二年度予算案では、公共投資の「一兆円削減」が成果のように宣伝されています。しかし同じ日に閣議決定された〇一年度の第二次補正予算案では、二・五兆円もの公共投資を積み増ししていますから、これを合わせると全体は増加したことになります。
しかも、「削減」分のうち、中止・休止の事業分は千六百億円ほどにしかなりません。予算案にもりこまれた事業も、事業規模や内容にはほとんど手をつけないまま、「コスト削減」などの名目で予算枠を圧縮したにすぎません。巨額の赤字になっている関西国際空港の二期工事や、川辺川ダムをはじめ住民の反対の強い各地のダム建設など、事業そのものはこれまでどおり続ける計画がほとんどです。ゼネコンは目減り分を工事単価切り下げで下請けに押し付けることができます。
道路特定財源は、自動車重量税から二千二百億円が一般財源にまわりますが、揮発油税をふくめ、国・地方合わせ四兆円規模になる中の、ごく一部です。
これらを全体としてみれば、小泉首相の「痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず」(所信表明演説)は、ゼネコン型公共事業についても、中身のない言葉だったというほかありません。(博)
〔2002・1・23(水)〕
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