2002年1月27日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 厚生労働省が児童扶養手当の削減案をだしたそうですが、どんなものなのですか (埼玉・一読者)
〈答え〉 児童扶養手当は、十八歳までの児童のいる母子世帯などに支給されます。現在は全額支給(年額五十万八千四百四十円)と一部支給(年額三十四万円)の二本立てです。全額支給は母親の収入(税や社会保険徴収分など含む)が二百四万八千円以内、一部支給は三百万円以内となっています。
厚生労働省の削減案は、全額支給の対象を収入百三十万円以内にせばめたうえ、百三十万円から一万円超えるごとに手当を二千円ずつ削減し、三百六十五万円までの家庭に支給するとしています。
またこれまで父親からの養育費は、所得制限の算定対象ではありませんでしたが、今回から算定対象にするとしています。
同省は「総収入がなだらかに増加するように」などと説明しますが、支給対象となる母子家庭が年々増加し、現行制度では来年度の自然増は「百億円がみこまれる」(同省説明)のに、予算案は前年度比二億円削減の二千六百三十七億円です。
九八年の「国民生活基礎調査」などによると、母子世帯の平均収入は二百二十九万円で、一般世帯六百五十八万円の四割にも及ばないのが現状です。
二〇〇〇年度末の支給実績では、児童扶養手当の受給者は七十一万人で、五十数万人が全額支給者でした。今回の厚生労働省案をそれにあてはめると、全額支給者のうち約二十万人が支給額を削減され、多い人で十四万八千円の減額となります。一部支給者も大部分が減額されることになります。
さらに、支給期間を五年ほどに短縮することも検討中です。
二十三日、一人親家庭のネットワークグループの三団体が反対集会を開き、削減案の撤回を求めました。日本共産党の西山登紀子参院議員が、共同を広げ削減を阻止する決意を表明しています。(日)
〔2002・1・27(日)〕
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp