日本共産党

2002年2月3日(日)「しんぶん赤旗」

 ごみ有料化でごみの量はどうなる?


 〈問い〉 家庭ごみを有料化する自治体が出てきていますが、有料化した地域のごみ量はどうなっているのですか。(石川・一読者)


 〈答え〉 多くの自治体では、家庭ごみ有料化の際、「ごみの減量化を図る」、「住民のごみに対する自覚を高める」といったことが掲げられてきました。しかし、実際に有料化された地域のその後のごみ量を見ていくと、いったんは減っても、数年後には有料化前よりも増えてしまったり、減るには減ったが微増に転じて、このままでは元にもどってしまいそうだという地域が少なくありません。

 中国地方のA市では、九五年に有料化しました。駆け込みで増えた前年度をさけ、二年前の九三年とのごみ量を比べると、一日あたり七十六トンから六十五トンへと十一トン減、14%の排出抑制となりましたが、その後は増加に転じ、九八年には七十七トンと、三年で元に戻っています。

 家庭ごみの有料化は、実施直後には減るものの、時間がたつとその効果は薄れ、ごみ減量の決め手にはなっていないということです。

 九二年に有料化した中部地方のB市では、九〇年一日あたり八十トンから九二年の七十二トンへと八トン(10%)減量しましたが、翌年からはA市と同様に増加し始め、九五年には八十トンに達しました。しかし、B市は、九七年から資源回収に取り組んで、二〇〇〇年には、七十七トンに戻しています。資源化に取り組む中で、一度増えはじめたごみ量を減らし、十年前の排出量に抑制しました。

 資源化・分別収集の拡充に取り組んだ自治体では、ごみそのものの排出を減らしています。細かい分別収集は住民の理解と協力なしに進められませんが、取り組みが進んでいる地域ではごみ問題への住民の関心が高まり、行政に対しても、意見や提案が活発に寄せられています。

 ごみを元から減らすには、住民自身の自発的な参加がなければできませんし、行政と住民が協力して取り組むことが大切です。(

 〔2002・2・3(日)〕 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp