日本共産党

2002年2月6日(水)「しんぶん赤旗」

 エンロン疑惑で問われる米政権の政策とは?


 〈問い〉 経営破たんした米エンロン社の疑惑で問題となっている、ブッシュ政権の政策とはどんなものですか。(長崎・一読者)

 〈答え〉 エンロン社疑惑で問題とされるブッシュ政権の政策の第一は、昨年五月発表の「エネルギー政策」です。原発推進へ方向転換し、ダムや火力発電所建設の規制緩和、自然保護区での石油・天然ガス開発などをうたいました。草案になかった、同社推進のインドの発電所建設への「協力」も盛り込まれました。立案過程で責任者のチェイニー副大統領らはレイ会長と六回も面会しました。

 疑惑を追及している民主党下院議員は百五項目中十七項目はエンロン社の要望が入ったものと指摘。会計検査院は面会内容の開示を拒否され、連邦地裁への提訴を決定しました。

 エンロン社は、政界への献金攻勢でエネルギー分野の「規制緩和」を進めさせ、電力・ガスの開発や卸売りから通信事業まで手を広げ急成長しました。本社のあるテキサス州で知事を務めたブッシュ大統領とは特に親密で、大統領選ではジェット機まで提供するなど全面支援。同社重役や顧問らがブッシュ政権の陸軍長官、大統領経済補佐官、通商代表などの要職に就きました。

 同社は昨年十二月に米史上最大の負債総額四百億ドルで倒産しましたが、破たん直前にレイ会長はオニール財務長官、エバンズ商務長官に電話で相談しています。同社延命のため、特別の便宜をはからなかったのかどうかも疑惑のひとつです。

 このほかブッシュ大統領は、昨年のカリフォルニア州の電力問題でレイ会長の陳情を受けた後、電力卸売価格の規制を拒否しています。

 またエンロン社は地球温暖化防止策を嫌悪し、クリントン政権時代から京都議定書の「抜け穴」づくりを画策しましたが、ブッシュ政権は同議定書そのものから一方的に離脱しました。同議定書をめぐっては、米政権に迎合的な日本政府も非難されました。(

 〔2002・2・6(水)〕


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp