日本共産党

2002年2月10日(日)「しんぶん赤旗」

 ペイオフ解禁 預金は大丈夫か?


 〈問い〉 ペイオフ解禁という話を聞いて銀行の預金が不安なのですが、どうなっているのですか (東京・一読者)

 〈答え〉 ペイオフとは銀行破たんのとき払い戻される預金を一定額まで全額保証し、一定額を超えた部分は破たんの程度により減額されて戻る制度のことです。「解禁」とは、金融危機回避のためとられてきた預金全額保護(ただし、財源は銀行業界の負担でなく国民の税金です)をやめ、もとのペイオフだけにするということです。

 いまのペイオフの制度は、元本一千万円までとその利息等は支払いを保証します。この範囲内ならペイオフ解禁でも全額保護されます。

 問題は一千万円を超える場合です。政府方針は、普通預金、当座預金、別段預金は来年四月から、その他の預金等(定期預金など)は今年四月からペイオフ解禁です。定期預金などは普通預金などにかえると来年の解禁までは全額保護できます。

 来年四月以降解禁される普通預金なども、複数の銀行に預金を分散し、それぞれ一千万円以下なら全額保護されます。ただし同じ銀行の別支店の口座は本人の預金に合算するので、一千万円を超える部分は全額保護にはなりません。複数の名義に分けている場合も、本人の預金に合算されたり、贈与税の対象になったりすることがあります。

 このほか、郵便貯金はもともと一千万円までしか預けられませんが、これも全額保護されます。

 個人の預金者はこのような対応が可能ですが、マンション管理組合など預金額が大きい場合は対応が難しいのが現実です。また預金の分散は、多くの中小金融機関には預金量の目減りとなる問題もあります。

 何より、深刻な不況と信用不安の中でのペイオフ解禁は、経済にいっそうの混乱を招きます。その一方で大銀行には公的資金投入を続行するのでは、道理もありません。日本共産党は、いまはペイオフ解禁の条件はないと考えます。(水)

 〔2002・2・10(日)〕


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