日本共産党

党創立81周年記念講演会4首長のあいさつ(大要)

保守系の人とも手をつなぎ

長野・木曽福島町 田中勝已町長


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田中勝已・木曽福島町長

 皆さんこんばんは。長野県木曽福島町長の田中でございます。皆さんから、力強いご支援、ご協力をいただきまして、昨年三月、二期目の出発をすることができました。本当にありがとうございました。(拍手)

 先日、私のところに二期目の選挙で応援してくれた保守系の方から電話がありました。「共産党はこんど綱領を変えて天皇制も自衛隊も認めるようだ。おかげで、私も町長を応援しやすくなった」―もちろん、これは綱領改定案をよく読まれたうえでの意見というのではありませんが、こういう電話をいただきました。地方政治ではとくにそうだと思うのですが、保守系の皆さんのご支援をいただくということが、非常に大事な課題です。そういうことを、この間、私、つくづくと考え、実感してまいりました。一期目の選挙のときは、何人かの保守系の議員の皆さんが私を支持して応援してくれまして、結果は、五五%の得票で当選いたしました。昨年三月の二期目の選挙のときは、もっと広範な、いろんな人からご支持をいただき、六七%、約七割近い得票でした(拍手)。ありがとうございました。

 だいたい、共産党の人が首長選挙に立候補すると、新聞に「独自のたたかい」とか、「当選を度外視したたたかい」などと報道をされることが多いわけです。ほとんど当選の可能性もないとか、当選をめざしてのたたかいではないというように、見られるわけであります。しかし、保守の皆さんが参加すると、評価が変わるということがあります。“これは真剣にやっている”、“当選するかもしれない”と。それから、候補者にたいする評価も変わり、有権者の見方も変わるのではないかと思います。

 今、地方自治体は、国ももちろんそうですが、非常に大きな矛盾、大変な課題が山積しております。こうした問題にたいし、まじめに、真摯(しんし)に取り組んでいる人たちと手を組んで、政治的には保守的な立場に立つ人たちとも、当面の課題を解決するために団結して、地方で政治を変えていく、そういう流れをつくっていくということは、綱領の観点からみても、非常に大事な課題だと、私は実感するわけであります。地方で、そういうまじめな人たちと、統一戦線を組むような、そういったたたかいを全国の皆さんが展開されたら、地方の政治も大きく変わっていくのではないだろうかと、このことを思ったりするわけであります。

 いま、日本は、経済でも、それから、社会的にも、本当に大変な、困難な時代に直面しています。矛盾がさまざまな形で噴出しているだけに、その解決のためにいっそう力をつくすことが、大事になっていると思うわけであります。

 今、私たちの町、木曽福島町では、木曽福島町周辺の七町村と町村合併の協議が進んでおります。この五月には、法定協議会が発足いたしまして、私は、初め辞退したのですが、推されて、法定協議会の会長という立場に立つことになりました。木曽郡の七町村のなかで、木曽福島町は中心の町です。そういう立場になったのでありますが、町村合併が問題になっている機会に、地方自治がもっとも豊かに花開く、そういう自治の新しい町をつくりたい、こんなことで一生懸命努力をしております。

 最近、ある長野県内の識者が、この私どもの研究を評価されて、こういうコメントを下さいました。

 「しかけられた合併政策のなかで、したたかに住民自治の陣地を守りながら、さらに拡大する営みと努力が始まっている。また、それをのりこえる理念とエネルギーが潜んでいる」―こういう評価をいただきました。(拍手)

 どうぞ皆さんも、日本共産党の事業で大きく成功されることをご期待申し上げまして、この記念集会にたいする私のあいさつとさせていただきます。今日はどうもありがとうございました。(拍手)

(2003年7月22日(火)「しんぶん赤旗」)


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