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(日本共産党国会議員団が2000年3月28日発表した、「『企業組織再編にともなう労働者保護法』『解雇規制法』『サービス残業根絶特別措置法』の労働者保護と雇用の確保・拡大のための三法案の衆議院提出にあたって」からの抜粋)
サービス残業は、もともと労働基準法で懲役六月以下または三十万円以下の罰金が科せられている犯罪行為です。ところが、多くの大企業では、「月間の残業時間は二十時間まで」などと目標を決めて、労働者が実際にどれだけ多く働いても、目標の範囲内で「自主申告」をさせています。これが、労働基準監督官が見回りにきてもサービス残業を発覚させない手口の代表です。また、サービス残業をやらせれば、かえって高くつくという仕組みがないために、大企業に、もし発覚しても「二五%の割増賃金を払えばすむ」という無責任な態度を許しています。
本法案は、こうした犯罪行為のやり得を許さないための仕掛けを作ろうとするもので、その骨子は次の通りです。
(1)使用者に実際の労働時間を把握し、記帳する義務を負わせています。こうすれば、労働基準監督官が調査に入れば、ただちに違法を摘発することが可能になります。記帳していなければ、それ自体が法違反として罰せられます。不正な記載を許さないために、労働者のチェックを受けさせる制度も盛り込みました。
(2)サービス残業が発覚したら、使用者は労働基準法で定められた割増賃金とは別に制裁金を労働者に支払わなければならないようにしています。これによって、サービス残業は使用者にとって割に合わないものになります。