2004年8月26日
第二回中央委員会総会での志位委員長の報告より抜粋
つぎに、教育基本法の改悪に反対するたたかいについてのべます。六月十六日、自民・公明両党が、教育基本法の「改正」の大筋の内容で合意し、来年一月からの通常国会に、「改正」案が提出される可能性が濃厚な情勢となっています。与党が合意した内容は、つぎのような点で、教育基本法の民主的原則の根幹を壊す、きわめて有害なものとなっています。
――一つは、教育基本法第一〇条が「教育は、不当な支配に服することなく」として、行政権力による教育の不当な支配を禁止した条文を、「教育行政は、不当な支配に服することなく」と、子どもや父母、国民による教育行政批判を封ずる中身に、百八十度改変しようとしていることであります。
――二つ目は、「政府は、教育の振興に関する基本的な計画を定めること」とし、政府が上から教育内容を教育現場におしつける根拠となる条文をもりこもうとしていることであります。
――三つ目に、「教育の目的」に「国を愛する」ことを明記していますが、愛国心とは本来、国民一人ひとりの見識や社会の自主性にゆだねられるべき問題であり、特定の内容をおしつけることによって、国民の内心の自由の侵害につながりかねないことであります。
これらに共通しているのは、憲法二六条が保障する国民が主人公となった教育の権利を否定し、それを国家による「教育権」に置き換えようという時代逆行の立場であります。
多くの国民がいま、心を痛めている今日の教育をめぐる諸問題は、教育基本法に問題があるのでなく、その民主的理念を実行してこなかった、歴代自民党の教育行政にこそ責任があります。国民のなかで、教育の危機を打開する対話と運動を広げながら、教育基本法改悪の策動を許さないたたかいを、急速に強めることをよびかけるものであります。